めも。

人を愛してしまうと、同時に「求められないかもしれない」「選ばれないかもしれない」という恐怖に囚われる。それでも大方の人は「誰かを好きになることは素晴らしいことだ」と言う。なぜなら、人は誰かに「あなたが必要なんだ」と言ってもらうために生きているからだ。誰かに便利に使われてしまうための言葉じゃなく、「他の誰でもない、あなたじゃないとダメなんだ」という言葉を得るために人は生きている。多くの人は、その言葉の在り処は”愛”だと思っている。だから「愛は素晴らしい」と人は言う。(幾原邦彦